IB生の「生の情報」IB経験しての後輩へのアドバイス
I. 「IBの学生時代」
3. IB勉強法
A) IB試験に向けて教科ごとの勉強の要点です。
English(HL) A language and literature
English Aの勉強法はJapanese literature HLと同じと言えます。English AはPaper 1とPaper2があり、Paper 1は小説や随筆の抜粋、画像(広告、風刺画など)や詩などの多様なジャンルから出題されます。様々な技法に着目しなくてはならず、技法を覚えなければなりません。それだけに限らず、それらの筆者や作者の意図を汲み取らなければ高得点は望めません。そのために普段から小説を読むときなどにその背景を意識したり作者の意図を考えておく必要があります。また、英語特有の言い回しなど日本人にとってなじみのない場合は教科の先生に尋ねてみるといいでしょう。
Paper 2は授業で取り扱った文学作品について、二時間でエッセイを書くというものです。二つ以上の作品を比べなければならないので、作品を比較する練習が必要となります。ベン図やチャートを書くなどして、練習してみてください。
またPaper 1、Paper 2共に表現技法や文学的技法を表現する単語(比喩、擬人化、誇張など)を覚えると良いでしょう。ただ暗記するだけでなく、それをエッセイの中で使えるように練習することが大切です。
Japanese literature HL
この教科で高得点を狙うためには、日頃からの勉強、試験前のPaper 1とPaper 2の対策をバランスよくこなしていきましょう。
「文章を書くための国語力」は一、二か月程度の勉強で上がるものではありません。朝学の時間の前に難易度が高めの評論文や文学などに習慣的に触れることにより、少しずつ身についていきます。
Paper 1では小説や随筆などの抜粋のコメンタリーが出題されます。Paper1に苦手意識がある人は、先生の作る模範解答や他の生徒の解答から、文章の構成・展開の方法、用語の使い方などをよく分析し、自分のものとして使えるようにしましょう。自信がでてきたら過去問で練習することをおすすめします。アイデアを書き出し、それを元に簡単なアウトライン(outline=概要)を作り、その上で実際に文章を書く練習をするとよいでしょう。
Paper 2 では授業、グループワーク、過去問を中心とした対策を立てていきましょう。授業で発表された内容をおさらいし、数人の友達と協力して、テスト対象の作品をテーマごとに細かく比較した表を作ると頭の中が整理されます。試験直前には過去問題を見て、エッセイの構成を考える練習をすると自信がつきます。
Chemistry HL SL
問題を多くこなす事が重要です。問題はテキストや授業で配布されるプリント、そしてIBの過去問を利用することがおすすめです。多くこなす事によって、質問の傾向がわかってきます。また、テストには類似問題が出ることも多いため、絶対に落とさないように気をつけることが大切です。応用問題に関しては発想力も重要になってきます。そのためには、テキストを読むことや、分からない問題は先生に積極的に聞くことをおすすめします。範囲が授業中に終わらなかったとしてもディプロマ最終試験は全範囲が出題されるので、予習・自習が大切です。
生徒の中には先生から渡される資料(Study guide)とは別にまとめノートを作っている人もいました。人それぞれ得意・不得意な分野は違うため自己流で作ったノートは復習や苦手対策として有効活用することが出来ます。
Math SL
Math SLもChemistry同様、問題を多くこなす事が重要です。過去問やテキストブックの章末問題を解いていくのが一番効率がいいです。なぜなら、要点をそれらで押さえる事ができるため、自然とテストに慣れることができます。しかし、Mathはグラフ電卓を使うテストがあるので電卓の使い方を知らなければなりません。電卓を使うテストでは大きい数字や細かい数字が出され、複雑な計算式になるので電卓を駆使しなければいい点数はとれません。かといって電卓に慣れすぎていると、今度は電卓が無いテストのときに苦戦してしまいます。電卓は数字を入力すれば答えが出ますが、それが無いときの解き方も覚えておく必要があります。SLではPaper 1というテストでは電卓無し、Paper 2というテストでは電卓有りなので、それぞれ特有の解き方に慣れておく事が必要不可欠です。また、IBは答えにたどり着く過程も採点されるので、答えを間違えても過程をしっかりと書いてあれば点数がもらえます。もちろん、全てもらえるわけではありません。
English B HL
過去問を沢山解くことが大切です。解いていくことで自分の苦手な部分や分野を把握することが出来ます。また先生に積極的にアドバイスをもらい、どのような練習が必要か、解き方のコツを教えてもらう事をおすすめします。余裕が有れば各paperで出題されるトピックの関連用語を勉強しておくと良いと思います。語彙力を上げることで、読むスピードが早くなり、理解力を深めることが出来ます。English A よりBのほうが、より語彙力と文法を重視した授業になります。
短いエッセイを書くpaper 2においても過去問を数多く解き、自分なりの時間配分、自分の得意不得意な出題分野やtext type(雑誌、新聞、ウェブサイトなど、出題された文章の種類のこと)を把握しておくことが必要です。Essayで高得点を狙うには自分の得意分野・Text typeの確認に専念すると良いと思います。生徒の中には得意なところは徹底して、苦手なところは浅く広めにやっている人もいました。また、過去問を解いていく中で自分がよく間違える文法のフレーズなども見えてくるので逐一メモを取り、同じ間違えをしないように気をつけることも大切です。
History SL, HL
「IBのhistoryが一番難しかった」と過去の先輩は口を揃えて言います。この教科で高得点を狙うのは大変です。ここでは高校二年からの長期的な対策、IB後半からの試験に向けての具体的な対策、そして試験に臨む際におさえておくとよいポイントを紹介します。
Historyの基本はしっかりとした知識の基盤を持つことです。そのためには日々の授業を聞き流すようなことをせず、できるだけその場で徹底的に知識を定着させましょう。授業が終わった後にその授業の要点を簡単にノートにまとめておくと定着率が上がります。また、授業を受けるときに、「その歴史的事件の重要性」「他の歴史的出来事との関連性」「複数の歴史家(Historian) の見解」「最終的な自分の見解」を意識して授業を受けると試験対策にもつながっていきます。弱点の克服は早めに。Google Documentなどで友達と協力して内容を整理して覚えるのも一つの手です。
Paper 1の対策としてはHistory Overall guidance bookなどを使って範囲を確認し、教科書のCourse companionで知識を入れておくと心配がなくなります。過去問などを実際の試験と同じ時間で解く練習をこなすと自信がつきます。
Paper 2,3は長いエッセイを書きます。試験が迫ってきたら、これまで自分が習ってきた内容を図解にするなどして情報整理し、過去問からブレインストームやアウトラインを作成する練習をすると、本番の時に応用が利きます。historian (歴史家) の見解を覚える際はその人の見解だけでなく、それをサポートしそうな内容も一緒に記憶しておくと試験の際に「生きた知識」になります。
Historyの試験は時間配分がとても重要です。Paper 1のQuestion (1a),(1b),(2),(3),(4)は個人差がありますがそれぞれ5,5,13,13,24分を目安に考えるといいでしょう。Paper 2, 3はブレインストームの時間を惜しまないようにしましょう。「アイデア出し切った」と思うまでやれば納得のいくエッセイが書けます。
Physics SL
Physicsは問題をこなす事も重要ですが、それ以前に答えにたどり着くまでのステップや解き方を理解していなければ始まりません。よって、テキストブックやその他の資料を読み理論を覚えるのが最優先です。理論が分かれば、自ずと問題の答え方が見えてきます。また、Physicsでは応用問題が多く出題されるので理論を網羅しておくことが必要です。授業を受けても理解できない理論や問題が出てくると思います。そのときは先生に聞くか、自力で答えを導きだすのがいいと思います。
その他に、自分で攻略ノート(まとめノート)を作成してテスト前にそれをチェックするという人もいます。作ることによって習熟度を高め、テスト前に読み返すことで簡単に自分が思う重要なポイントを押さえることができます。それも一つのやり方ですが、時間と労力を考えると他の教科に当てる時間が少なくなってしまいます。自分の苦手科目であるならばノート作成をするのはおすすめです。
各章の参考資料としてBookletが配布されるのでそれをテスト勉強に使った方が効率がいいという人もいます。Bookletに必要な内容が殆ど含まれているので、それを使うのがテスト高得点の近道になると思います。ただ、細かい内容が含まれていない場合もあるので、そこは各自で埋める必要があります。
Mandarin ab initio
文法・構文は自分で攻略ノートを作ることをおススメします。教科書に先生の言ったことをメモしておくことはいいのですが、時間が経つと忘れ去ります。教科書の内容をただ写すだけでなく、先生からの宿題が出ていないときは授業で習った文法・構文を「全て」網羅するように考え、工夫してまとめノートを作ると知識が定着します。定着させることによって、いざ作文!を書くときに、どの構文を使えばいいかという判断が瞬時にできるようになります。
単語は、簡体字、ピンイン、声調の三つを意識し、声に出して練習すれば覚えます。オーラルの練習も声に出して練習するのが基本です。何回もCDを聞いて自然に例文が口から出るようになれば、試験で応用が効きます。聞く力も発音して喋ればある程度つきます。
作文は量をこなすことが大事です。たくさん書いて、先生の添削をたくさんいただきましょう。添削してもらったあとは少し時間をおいてから清書すると、自分のこれから書く文章が正しい中国語に近づけます。
ある程度文章を書くことになれてきたら、クラスメイトと中国語で交換日記をするなどして積極的に文を書く練習をすると良いでしょう。